HSS型HSPは、環境で9割が決まる。
本音では「すべて」と言いたいところだが「さすがに言い過ぎじゃないか」とツッコミが入りそうなので、控えめに9割にとどめておく。
もちろん、個人の努力や意志の力を否定するつもりはない。しかし、人間は環境から多大な影響を受ける。これは間違いないだろう。
とりわけHSS型HSPは、その気質ゆえに、努力が空回りしやすい「合わない環境」と、自然と力が発揮できる「合う環境」の差が極端に現れる。
HSS型HSPは「刺激に敏感」という気質があるため、外部からの刺激による影響が大きい。刺激が強い環境にい続けると、あっという間に消耗してしまう。
さらに「好奇心旺盛かつ飽き性」という気質もあるため、新たな刺激や変化を好む傾向がある。
そんなHSS型HSPがルーチンワークをひたすら続けるような環境だと、生き地獄のような思いを味わうだろう。日に日に目の生気が失われていくはずだ。
HSS型HSPは、気質に合っており、強みを活かせる環境に身を置くことが鉄則となる。ここを押さえていないと、生きづらさが増してしまうので注意が必要だ。
少しだけ私の体験談を語りたい。これまで実際に働いてみて「これは無理だ」と思った職種がいくつかある。
- コールセンター業務
- 飲食店(キッチンスタッフ)
- 飛び込み営業
私の場合、大学卒業直後に内定していたベンチャー企業が倒産した。社会に出て早々に出鼻をくじかれたのである。
そのためいろいろな職種を転々とし、食いつないでいた期間がそれなりに長い。
当時は飲食店やコールセンターなどの求人が多かったので、アルバイトや契約社員として働いたことがある。
まずコールセンターだが、あの閉鎖的な空間が本当に息苦しかった。個人情報保護のためにセキュリティが徹底されていたので、仕方がない部分ではあるのだが……

しかし、窓もない部屋に四六時中いるのは、メンタル的にかなりきつかった。それに、周りからはずっと電話対応している声が聞こえてくる。その雰囲気も好きにはなれなかった。
電話対応自体は嫌いではなかったが、対応後の入力の時間や休憩時間まで秒単位で管理される。この仕組み、雰囲気がどうしても自分には合わないと感じた。
業務に慣れて刺激がなくなると、ネガティブな側面のほうが勝ってしまい、結局、1年ほどでやめてしまった。
次に飲食店のキッチンスタッフ。これも自分が向いていないと感じる仕事の代表だった。

皿洗い・下ごしらえなど、どの仕事も先輩からせっつかれて時間に追われる。頭が常にパニック状態だった。
あと、なんといっても皿洗いがしんどい。飽きる。苦痛で仕方がなかった。
一応、ホールスタッフもやってみた。そっちは、まだなんとかなったので、接客は嫌いではなかったのだと思う。
最後に飛び込み営業。営業職は求人数も多く、未経験でも採用されることは多い。とくにブラック寄りの職場では、常に人を募集している状態だ。
大量に採用して、そのなかで一握りでも生き残ればいいという感覚で求人を出しているのだと思う。
未経験者であっても間口が広く、実力次第ではのし上がれる。どん底から這い上がれるチャンスがあるので、人によっては良い選択肢だと思う。
私も一発逆転を狙って営業職にチャレンジしたことがある。
しかし、結果は見るも無惨なものだった。まず、全然契約が取れない。

オフィスも非常にプレッシャーが強い雰囲気で、居心地の悪さが半端ではなかった。進捗が悪いと詰められるのは当たり前。成果が出せない人に人権などない。そんな文化が形成されていた。
結局、半年も持たずに退職した。
否定の連続で、ボキッと心がへし折られる経験だった。できない自分を突きつけられて、毎日のように惨めな思いをした。
社会に出てから、最も自己肯定感が下がる経験だった。

本当に、心底「二度とやりたくない」と思う。
こんな感じで失敗や挫折は、かなりの数、経験している。失敗の部分だけ切り取ると、落伍者ともいえる。
しかし、こんな私でも、職種や環境が変われば一定の成果は出すことができた。
もちろん、どの環境でも最初はそれなりに苦労するのだが、積み重ねていけばブレイクスルーは訪れてくれる。
飛び込み営業をしていたときと、まるで手応えが違う。「あの苦労はなんだったのだろう」と思うレベルだ。
環境のもたらす影響は本当に大きい。
もしあなたが今成果を出せていないとしたら、環境による影響が大きいかもしれない。
精いっぱい努力を重ねても思うようにいかないのであれば、環境を見直すことをおすすめする。
ふくきた

