HSS型HSPの自己肯定感が低くなる理由|あなたのせいではない

人と比べては落ち込み、自分にダメ出しばかりしてしまう。HSS型HSPの自己肯定感の低さは性格の弱さではなく気質ゆえです。なぜそうなるのかと、育て直す視点を当事者の目線で整理します。
「人と比べては落ち込み、自分にダメ出しばかりしてしまう」
「できないことばかりが目について、自分を好きになれない」
HSS型HSPの方なら、こんな気持ちに覚えがあるのではないでしょうか。挑戦する気持ちはあるのに、いつも心のどこかで自分を信じきれない。
でも、その自己肯定感の低さは、あなたの性格の弱さが原因ではありません。HSS型HSPという気質から、自然に起きていることです。
まずは、こんな心当たりがないか振り返ってみてください。
- ✓人の評価や反応が気になって、自分の価値を見失いやすい
- ✓できたことより、できなかったことばかり思い出す
- ✓周りと比べて「自分は劣っている」と感じやすい
- ✓転職や挫折の経験から、自信を失っている
- ✓理想が高く、今の自分にいつもダメ出ししている
いくつも当てはまっても、落ち込む必要はありません。
それはあなたが繊細で、真面目に自分と向き合ってきた証でもあります。
気質からくる生きづらさ全体については、HSS型HSPの生きづらさは「濃淡」で変わるでも整理しています。
なぜHSS型HSPは自己肯定感が低くなりやすいのか
自己肯定感が下がりやすいのには、はっきりとした理由があります。
気質の特徴が、3つの形で影響しています。
繊細さゆえに「他人の評価」を受け取りすぎる
HSPの気質があると、人の表情や言葉、ちょっとした反応まで敏感に受け取ります。
ほめ言葉は流してしまう一方、否定的な反応は深く刺さってしまいます。
他人の評価が自分の価値の基準になりやすく、少しの否定で自信が揺らいでしまうのです。
挑戦する分、挫折の経験も多くなる
HSS型HSPは刺激を求めて、人より多くのことに挑戦します。
行動量が多いぶん、うまくいかない経験や、途中でやめた経験も自然と増えていきます。
その一つひとつを「失敗した自分」として数えてしまうと、自信は削られていきます。
本当はたくさん挑戦してきた証なのに、です。
理想が高く、現実の自分とのギャップに苦しむ
感受性が豊かなぶん、理想の自分も高く描けてしまいます。
だからこそ、今の自分との差が大きく感じられ、いつまでも満足できません。
高い基準を持っているのは長所ですが、その基準で今の自分を測り続けると、自己肯定感は下がってしまいます。
「自己肯定感が低い=ダメ」ではない
ここで知ってほしいのは、自己肯定感が低いことそのものは欠点ではない、ということです。
それは繊細さ・挑戦の多さ・理想の高さという、強みの裏返しだからです。
無理にポジティブになろうとする必要はありません。大切なのは、自分を測るものさしを少しずつ変えていくことです。
まず「自分の気質を受け入れる」
ものさしを変えるより手前に、大切な一歩があります。それは、自分の気質をそのまま受け入れることです。
「しょうがない」が、自己嫌悪のループを止める
HSS型HSPは、凸凹した気質を持っています。飽きっぽい、傷つきやすい、一つのことが続かない。これを「自分はダメだ」と責めるほど、負のループにはまります。
そこで、「自分はこういう気質だ。しょうがない」と受け入れてみてください。これは諦めではありません。必要以上に落ち込むのを止めるための、自分への許可です。
私自身、気質を受け入れてから、ぐっと楽になりました。怒られても以前ほど傷つかず、「そうだよな、自分こういうところあるしな」と受け流せるようになったのです。
受け入れた「後」に、改善へ向かう
大切なのは、受け入れて終わりにしないことです。「しょうがない」の後に、「だったら次どうしよう」と発想を前に向けます。
ケアレスミスをしても、「自分はダメだ」で止まらない。「こういうところがあるな。じゃあ、どう防こうか」と対策に進める。受け入れが、改善への出発点になります。
人間は少しずつ変れます。気質そのものは変わらなくても、付き合い方は工夫できる。受け入れることは、その工夫を始めるスタート地点なのです。
自己肯定感を「育て直す」ための視点
自己肯定感は、生まれつき決まっているものではありません。
日々の見方を変えることで、少しずつ育て直せます。
「他人軸」から「自分軸」へ
他人の評価をものさしにしている限り、自信は人に左右され続けます。
「人からどう見えるか」より「自分はどうありたいか」に少しずつ重心を移してみてください。
自分の価値観がはっきりするほど、外の評価に揺れにくくなります。
「できなかったこと」より「できたこと」を見る
HSS型HSPは、できなかったことを数えるのが得意すぎます。
一日の終わりに、小さくてもできたことを一つ書き留めてみてください。
ものさしを減点法から加点法に変えるだけで、自分への見方は少しずつ変わっていきます。
「完璧主義」のものさしを手放す
自己肯定感を下げるもう一つの大きな要因が、完璧主義です。これもHSS型HSPに多く見られる、隠れたクセです。
完璧主義は、繊細さの裏返し
HSPの気質があると、細部まで気を配り、ミスを恐れて完璧に仕上げようとします。指摘されて傷つきたくない気持ちも、こだわりを強めます。
真面目で丁寧なのは長所です。ですが「完璧でなければ意味がない」とまで思い詰めると、自分を追い込む刃になってしまいます。
完璧主義は、繊細さや責任感の裏返し。決して悪いものではありませんが、扱い方を間違えると自己肯定感を削ります。
「100点」でなく「合格点」で自分を見る
完璧主義の人は、100点以外をすべて失敗とみなしがちです。99点でも「1点足りない」と落ち込んでしまいます。
ですが、世の中のほとんどのことは、6~7割できれば十分です。「完璧」ではなく「完了」を目標にすると、ぐっと楽になります。
合格点のハードルを下げるのは、手抜きではありません。自分を必要以上に責めないための、大切な工夫です。
失敗を「ダメな自分」でなく「データ」と捉える
うまくいかなかったとき、「自分はダメだ」と受け取るか、「次に活かせるデータが取れた」と受け取るか。同じ出来事でも、受け取り方しだいで自信への影響はまるで変わります。
HSS型HSPは挑戦が多いぶん、うまくいかない経験も増えます。それを一つずつ「失敗」と数えれば苦しくなりますが、「学びの記録」と捉えれば財産になります。
出来事そのものは変えられなくても、受け取り方は変えられます。この視点の転換が、挑戦の多さを自信に変えていきます。
「言い聞かせ」より、体から整える
ものさしを変えていくとき、注意したいことがあります。それは、無理にポジティブな言葉を自分に言い聞かせようとしないことです。
アファメーションが逆効果になることもある
「自分はできる」と繰り返し唱えるアファメーション。一見よさそうですが、自己肯定感が低いときには、逆効果になることがあります。
心の底では信じきれていないのに、できると唱える。すると「本当はそう思っていない」という感覚だけが残り、かえって心の乖離が広がってしまうのです。
私自身、アファメーションを試して、むしろしんどくなった経験があります。言葉で気持ちをねじ伏せようとすると、どこかで無理が生じるのだと思います。
言葉ではなく「体」から気持ちを整える
そこでおすすめなのが、言葉ではなく体からアプローチする方法です。気持ちが体をつくるだけでなく、体の状態も気持ちに影響することが分かっています。
手軽で効果が確かなのが、深い呼吸です。ゆっくりと息を吐く呼吸は、自律神経を落ち着かせ、不安や緊張をやわらげることが、多くの研究で示されています。
姿勢も一つの手がかりです。背筋を伸ばして胸を開くと、気分が前向きになりやすいという研究があります。ホルモンが劇的に変わるといった話ではありませんが、まず体を整えると、心が後からついてくることがあるのです。
とはいえ、思考の癖はいきなり180度変わるものではありません。体を整える小さな習慣で、少しずつ軌道修正していく。それくらいの気持ちが、ちょうどいいのです。
根っこにあるのは「自分が分からない」こと
自分軸を持とう、できたことを見ようと言われても、そもそも自分の価値観や強みが分からない。そう感じる方も多いはずです。
自己肯定感の低さの根っこには、「自分が何を大切にし、何が得意なのかが言語化できていない」状態があります。
ここが見えてくると、自分を測るものさしも自然と定まっていきます。とはいえ、自分のことは自分ではいちばん見えにくいものです。
まとめ|自己肯定感は「ものさし」を変えれば育つ
HSS型HSPの自己肯定感が低くなりやすいのは、繊細さ・挑戦の多さ・理想の高さという気質ゆえです。あなたが劣っているからではありません。
- 他人の評価を受け取りすぎて、自信が揺らぎやすい
- 挑戦が多いぶん、挫折を「失敗」と数えてしまいがち
- 低さは欠点ではなく、強みの裏返し
- 他人軸から自分軸へ、減点法から加点法へ
とはいえ、自分の価値観や強みを言葉にするのは、ひとりではなかなか難しいものです。
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この記事を書いた人
ふくきた|才気道 家元
HSS型HSP当事者。好奇心旺盛なのに繊細、社交的に見えて実は人見知り——いくつもの矛盾した気質を抱えて生きてきました。短期離職や営業職での挫折を重ねるなかで自己理解を深め、今は独自メソッド(才気道)の開発と普及に取り組んでいます。





