HSP気質が失敗を引きずる理由|転んでもタダでは起きない考え方

失敗したあと、何日も、ときには何年も引きずってしまう。
HSS型HSPには、そんな経験があるのではないでしょうか。挑戦する行動力があるぶん失敗の数も増え、繊細な気質でそのダメージを深く受け取ってしまうからです。
この記事では、失敗の痛手をどう扱い、どう次につなげるのか、私自身の挫折体験を交えて解説します。
まずは、こんな心当たりがないか振り返ってみてください。
- ✓失敗した場面を、何度も思い出しては落ち込む
- ✓一度うまくいかないと「向いていない」と諦めてしまう
- ✓傷つくのが怖くて、新しい挑戦に踏み出せない
- ✓うまくいかないとき、とにかく量をこなして乗り切ろうとする
- ✓頑張っているのに、成果につながっている実感がない
当てはまるほど、失敗を「損失」としてだけ受け取っているのかもしれません。
失敗は「成功への通り道」
まず前提として、失敗をどう位置づけるかを整理しておきましょう。
ここがずれていると、必要以上に自分を痛めつけてしまいます。
成功と失敗は二択ではない
何かを成し遂げようとすれば、失敗は避けて通れません。一度も失敗せずに成功した人がいるなら、ぜひ会ってみたいものです。
多くの人は「成功か、失敗か」の二択で考えます。ですが実際は、失敗を繰り返して改善を続けた先に、成功があります。
つまり失敗は、成功の反対側にあるものではありません。そこへ向かう途中で、必ず通る道なのです。
HSP気質は失敗のダメージが大きい
とはいえ、頭で分かっていても、痛いものは痛い。HSP気質があると感受性が高いぶん、失敗のダメージをまともに受けてしまいます。
しかもHSS型HSPは刺激を求めて挑戦する回数が多いので、その痛手を負う機会も自然と増えていきます。
私自身、数え切れないほど失敗してきました。もっと要領が良ければ、もっと才能があればと、何度も自分に絶望してきたので、その気持ちは痛いほど分かります。
「転んでもタダでは起きない」という気概
では、痛手を負ったあとに何が明暗を分けるのか。
それは「タダでは起きない」と決めているかどうかです。
傷ついた分だけ何かを持ち帰る
失敗して傷ついたとき、人はまず諦める人と諦めない人に分かれます。そして諦めない人も、そこから学ぶ人と、ただ耐えてがむしゃらに続ける人に分かれます。
転んで膝を擦りむいたなら、せめて何か拾って立ち上がる。「これだけ嫌な思いをしたのだから、絶対に何かプラスを持ち帰ってやる」という気概です。
同じ痛みでも、手ぶらで起き上がるのか、次に使える何かを握って起き上がるのか。この差が、時間が経つほど大きく開いていきます。
毎回でなくここぞで効かせる
ただし、これを毎日のように続ける必要はありません。常に気を張っていては、エネルギーが尽きてしまいます。
数ヶ月に一度、大きくつまずいたとき。そのときだけ「絶対に良くしてやる」と踏ん張れば十分です。
消耗しやすいHSS型HSPだからこそ、気概は使いどころを選ぶ。ここぞの場面に温存しておきましょう。
私が野球で学んだ「がむしゃらの落とし穴」
気概が大切だとお伝えしましたが、根性だけで押し切るのとは違います。
それを痛感したのが、学生時代の野球でした。
名門校でレギュラーになれなかった
私は高校まで野球をやっていました。そこそこ強い学校に入ったものの、結局レギュラーは取れず、下の方で終わりました。
当時は、ただがむしゃらに練習していました。人一倍素振りをして、量をこなせば報われると信じていたのです。
才能が足りなかったのは事実です。ですが今振り返ると、もう少しやりようがあったと思っています。
努力に「逃げて」いた
当時の私に足りなかったのは、練習量ではなく設計でした。自分の特性を見極め、どの能力を伸ばせば評価されるのか、どう動けばチームの役に立てるのか。そこを考えていなかったのです。
考えるのは苦しいので、つい体を動かして「やった気」になる。あれは努力に逃げていたのだと、今なら分かります。
がむしゃらであることは、必ずしも正義ではありません。とくに仕事では、頭を使わない努力は空回りしやすいのです。
自分の強みでチームの穴を埋める
本当に考えるべきだったのは、周りを見て自分の置き場所を決めることでした。
どれだけ練習しても、チームが求めていない能力を磨けば、評価にはつながらないからです。
自分の資質ならどのポジションが向いているか。チーム全体で弱いのはどこか。監督はどんな選手を求めているか。
自分の強みでチームの穴を埋められれば、レギュラーになれる確率は上がったはずです。
プライドは捨てて、勝つために頭を使う。それが戦略というものでした。
失敗を次に活かす3つの視点
では、転んだあと具体的に何を持ち帰ればいいのか。
3つの視点にまとめます。
①「なぜダメだったか」を分解する
落ち込んだままだと、失敗はただの嫌な記憶で終わります。
少し落ち着いたら「何が原因だったのか」をできるだけ細かく分けてみてください。
準備が足りなかったのか、そもそも進め方が合っていなかったのか。分解すると、次に変えるべき一点が見えてきます。
②自分の特性から戦略を組み直す
次に、量を増やす前に「そもそもこのやり方は自分に合っているか」を問い直します。
同じ努力でも、特性に合っていなければ成果は出にくいからです。
自分の特性は、試行錯誤を通じて少しずつ見えてきます。
詳しくは自己理解は試行錯誤で深まるという記事でも解説しています。
③伸ばすところと捨てるところを決める
すべてを平均的に上げようとすると、時間がいくらあっても足りません。
どこを集中的に伸ばし、どこは最低限で済ませるかを決めます。
意識したいのは、掛け算の発想です。多くの物事は、ひとつがゼロだと全体がゼロになります。
野球でも、ボールをまったく投げられなければ、どこも守らせてもらえません。まず弱点を最低限まで引き上げ、残った力を強みに注ぐのです。
この切り分けができると、失敗は「ダメな自分の証拠」ではなく戦略の材料に変わります。
自分を責めがちな方は、あわせて自己肯定感が低くなる理由の記事もご覧ください。
まとめ|失敗は「持ち帰り方」で価値が変わる
失敗しない人はいません。違いが出るのは、そこから何を持ち帰るかです。
大切なのは、次のポイントです。
- 成功と失敗は二択ではなく、失敗は通り道
- HSP気質は痛手が大きいぶん、意識して何かを持ち帰る
- 気概は毎日ではなく、ここぞの場面で効かせる
- がむしゃらな努力より、特性に合った戦略を組み直す
転ぶのはしょうがない。傷つくのもしょうがない。それでも、タダでは起きない。その一点を決めておくだけで、進む先は変わっていきます。
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この記事を書いた人
ふくきた|才気道 家元
HSS型HSP当事者。好奇心旺盛なのに繊細、社交的に見えて実は人見知り——いくつもの矛盾した気質を抱えて生きてきました。短期離職や営業職での挫折を重ねるなかで自己理解を深め、今は独自メソッド(才気道)の開発と普及に取り組んでいます。





